島根県邑南町の城跡

邑南町の観光名所、歴史の紹介

ここでは、島根県邑南町内にある歴史スポットや観光名所などを紹介しています。

NHK特集『寺が消える』その後……(明善寺編)

 前ページ(聞光寺編)のつづき

 昭和63年(1988)、NHK全国放送にて『NHK特集・寺が消える』という特集番組がありました。
 その中で、川本町市井原の「明善寺」が紹介されていました。

明善寺 本堂
明善寺 本堂

明善寺 屋根
屋根は相当痛んでいます

寺院状況
浄土真宗本願寺派の調査団が訪問

 浄土真宗本願寺派の寺は、門徒の数や僧侶の数などに応じて、毎年決まった額の付加金を本山に納めることになっています。本山は、その付加金の滞納によって、初めて寺の異変に気がつきます。
 200年以上の歴史を持った明善寺ですが、7代目の住職が亡くなって30年、村人によって管理され、何とか持ちこたえてきました。しかし、実質的な廃寺にあたる吸収合併となったことが、番組に取り上げられていました。

明善寺
明善寺

明善寺へ
合併吸収の案内が寺に張り出されます

 そして最後の法要が勤められ、本尊が持ち出されるところまで放映されていました。
 明善寺は、その後取り壊され、跡地はゲートボール場になる、とのことでしたが、どうなったのでしょう?

明善寺跡地
平成26年の明善寺跡地

明善寺跡地
完全な更地になっています

明善寺跡地の石碑
「明善寺跡地」の石碑が建てられていました

 急激な過疎化による廃寺の動きは、今後も続くことでしょう。
 時代の流れと言えばそうなのですが、先祖が守ってきたものは一体何なのか、考えさせられます。

 本堂などの建物は消えようとも、そこで育まれるべき「心」であり「信仰」こそが、先祖代々守られてきたもので、また未来に残していくべきものだと思います。
 寺とは、本来「教義を聞き求め、信仰を深める場」です。たとえ集落から寺が無くなろうとも、寺で説かれていた「教え、信仰」まで失ってはならない……そう願わずにおれません。

(2014年4月:テレビ画像はNHKより)

 

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「邑にゃん」とは邑南町の歴史を勝手につぶやく謎のネコである。邑南町公式マスコットとは何ら関係がない。